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 表現項目と作品例(高3相当)

表現項目キーワード
予測問題の主題予想、予測、問題
原因と対策原因、背景、対策
反対意見の理解確かに、もちろん
自作名言ではなく、でなく、大切なのは、大切なことは、大事なのは、大事なことは、重要なのは、重要なことは
段落(段落をつけることができる)
常体(常体で書くことができる)
誤字(誤字が二つ以上ある場合は減点)
(作品例は項目の入れ方を示しています。合否の水準とは関係がありません)

 作品例 字数1220字、素材語彙147種、強力語彙29個、重量語彙81種、得点97点

 20年も前から、教育におけるテストの点数評価をめぐる議論があったのは驚きだ。その多くは、点数による人間評価や教育での競争原理の適用、に対する賛否両論という構成である。どちらの側も、確かにその通りというような話を盛り込んでいて、決着を見ぬままずるずると20年が過ぎたように思われる。その先送り的状況に驚いたわけである。そして、その二項対立的な議論への反発を覚えた。
 私はかつてテスト主義への嫌気から、学校でのテストに追われる勉強は果たして勉強なのか、自主的に学ぶ姿勢のほうが本来の勉強なのではないか、という疑念をもった。そこで夏休みなどを通して、宿題はサボって物理の入門書でも読もうと実験した。ところが、いざやってみると、緊張感がなく、中途半端に夏が過ぎてしまった。物理がもともと好きになれないのか、勉強自体が嫌いなのか、これではテストの優位性を証明した結果になる。一方で試験中は、いつになく趣味や興味のあるものに気が向いている。私にとっては、テストという圧力とそれに対する反発力としての自主性、がバランスよく平衡状態を保っているときが最も充実しているようだ。このような経験から私は、「単にテストは競争本位だからダメ、否、競争原理は社会の基本だからテストは必須だ」、「自主性を中心に据えればみな勉強する、否、勉強できない人と出来る人の格差が広がる」などといった単純化された議論には問題があると思う。
 こうした果てしない教育議論の問題は、前項に述べたとおり、短絡的な二項対立型思考に原因があると思う。私には、どちらの意見にも一理あり正しいと思われるし、実際自分のケースにも当てはまる点はある。しかしだからといって双方の利点を集めて、上手い具合に一般化する必要があるのか。テストがあってはじめて勉強する人もいれば、自分で好きなように勉強する人もいるし、私のようにバランス型の人もいるに違いない。一つの確固とした一般論を元に教育を決めるのではなく、むしろ各自自分のペースで勉強できるような土壌を作るようにすればいいのではないか。この果てしない議論の対策としては、対立項の双方を内包するような、個人に選択権のある教育を作ることで解決を図れると思う。
 一つ忘れてはならないことがある、と叫びたい。教育は教育者のためにあるのではなく、教育を受けるの者ためにある、ということだ。むしろその国の未来のため、といったほうが正確だろうか。議論をするのはかまわないし、どんどんしたほうがいいだろうが、教育者がただ自分の論理を顕示してご満悦するだけのものであるなら、付き合いきれない。具体的には、「ゆとり教育」などまさに教師の全国的な力量不足を補うための愚策にしか見えない。完全に教育としての方針、つまり未来のためという思想、を欠いていると思う。このような教育議論の堕落の極みであるような政策は、直ぐに改正されるべきである。これが、一学生の教育議論への意見である。 (sooさんの作文より)


 表現項目と作品例(大学生・社会人相当)

表現項目キーワード
さまざまな主題べき、問題
複数の構成理由、方法、原因、対策
反対意見の理解確かに、もちろん
自作名言ではなく、でなく、大切なのは、大切なことは、大事なのは、大事なことは、重要なのは、重要なことは
段落(段落をつけることができる)
常体(常体で書くことができる)
誤字(誤字が二つ以上ある場合は減点)
(作品例は項目の入れ方を示しています。合否の水準とは関係がありません)

 作品例 字数1078字、素材語彙124種、強力語彙21個、重量語彙76種、得点86点

 宮崎駿作品の「風の谷のナウシカ」では、人間によって破壊された自然環境は、「腐海」という巨大化した虫と不気味な植物が生息する世界を作り出し、人々はそこで自然の脅威にさらされながら暮らしている。この作品の中では、自然破壊を招いたのは核兵器を思わせるような破壊兵器による環境破壊だが、冷戦が終結した現在、地球環境を破壊している主たる原因は人間中心主義の環境開発によるものである。自然には本来、環境を修復する力があるのだが、科学技術の発達により人間が自然を破壊する規模は桁違いに大きくなったため、もはや自然の自己修復能力を超えてしまった。この問題の難しいところは、人間に直接の被害を与えるのが今現在なのではなく、将来に起こるということである。私たちは、現在のような人間の利益だけを考えた自然との関係から方向転換していかなくてはならない。
 Aの文章にあるように、もともと、日本人は自然を風景として捉えており、自然とは意識するものではなく、ただそこにあるものだと思ってきた。西洋のように、自然を客観的に対象化してみるということをしなかったため、自然科学も生まれなかった。だが、近代化する中で、西洋の科学文明を輸入すると、自然が無限のものでもあるかのように、搾取しはじめてしまった。原因の一つはそこにある。
 現在、日本企業のISO14001の取得数は世界一であり、積極的に環境問題に取り組んでいるところも多い。環境に配慮することが、企業利益につながるのだろう。それに対して、私たち生活者はどうだろうか。例えば、海水への影響でいえば、工業排水による被害はかつてに比べ減少してきているのに対して、生活排水によるものはいまだに減っていないと言う。もちろん、生活排水を一市民の行為で減らせるとは思わないが、行政に働きかけるなどしたり、場合によってはある程度のコスト負担も考慮する必要があるだろう。Bの文章にあるように、日本人は、もともと人間自身も自然の一部だと考えており、自然のサイクルの中で生きてきたはずだった。私たちは、そのことをもう一度想起すべきだろう。
 確かに、科学文明を駆使し、自然を支配したことによって私たちの生活は向上した。しかし、これまでのような自然破壊を続ければ、もはや地球上で人間だけでなく、あらゆる生物が生存することが不可能になる可能性がある以上、方向転換をするしかない。「風の谷のナウシカ」では、最後に「腐海」の世界が、また人間が暮らすことのできる環境を生み出し、希望的なエンディングを迎える(これも日本人の自然観か)が、そんな保証はどこにもないのだ。 (uruiさんの作文より。下線部は編集)

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